イーサリアム(ETH)は、ビットコインに次ぐ時価総額第2位の仮想通貨です。しかし、イーサリアムは単なる仮想通貨ではなく、スマートコントラクトや分散型アプリケーション(DApps)を実現するためのブロックチェーンプラットフォームでもあります。イーサリアムは、金融や保険、ゲーム、NFTなど様々な分野で革新的な技術を提供しており、ブロックチェーンの可能性を広げています。
この記事では、イーサリアムの特徴や歴史、価格動向、今後の見通しや予想などを詳しく解説していきます。イーサリアムに興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
- イーサリアムの特徴
- DAppsのプラットフォームとして高い市場シェアを誇る
- NFTを作成できるプラットフォームでもある
- イーサリアム2.0への移行が進行中である
- イーサリアムの歴史
- イーサリアムの価格動向
- 2024年以降のイーサリアムの見通しや価格予想
- 日本でおすすめの取引所
- 最後に
イーサリアムの特徴
イーサリアムは、主に次のような特徴を有しています。
- スマートコントラクトを実装している
- DAppsのプラットフォームとして高い市場シェアを誇る
- NFTを作成できるプラットフォームでもある
- イーサリアム2.0への移行が進行中である
- スマートコントラクトを実装している
スマートコントラクトとは、第三者の手を介さずにあらかじめプログラムされた契約内容を自動で実行してくれる仕組みのことです。イーサリアムチェーン上では、その特徴を生かしたDAppsが数多く開発・運用されています。
スマートコントラクトはよく、自動販売機に例えられます。自動販売機はあらかじめ定められた代金を投入すれば、売り手を介さなくても売買契約が成立して、商品をすぐにゲットできます。スマートコントラクトも基本的な仕組みはそれと同じです。
また、イーサリアムのスマートコントラクトは、ブロックチェーン技術を用いることによって、プログラムの改ざんや取引の不正を防げるようになっています。
DAppsのプラットフォームとして高い市場シェアを誇る
DAppsを開発できるブロックチェーンプラットフォームは、イーサリアムチェーン以外にも数多く存在していますが、2023年11月時点で、イーサリアムチェーンはそのなかで圧倒的なシェアを誇っています。
例えばDAppsの一種でスマートコントラクトを金融取引に活用しているDeFi(分散型金融)での預かり資産を見比べると、イーサリアムチェーンは全体の約55%を占めており、次点のTronチェーン(シェア率約15%)を大きく突き放しています。
例えば、Uniswapはイーサリアム上で最大のDeFiであり、仮想通貨の交換、預入等が自動できる分散型金融アプリケーションです。ユーザーは中央集権の取引所の制限を無視して仮想通貨の運用することができます。
NFTを作成できるプラットフォームでもある
NFTとは、Non-Fungible Tokenの略で、日本語では非代替性トークンと訳されます。NFTは、ブロックチェーン上で発行されるデジタルアイテムであり、その個体に固有の特徴や属性を持ち、他のものと交換できないという性質を持っています。
NFTは、アートや音楽、ゲーム、スポーツなど様々な分野で活用されており、デジタルコンテンツの所有権や価値を証明する役割を果たしています。NFTは、イーサリアムチェーン上で発行されることが多く、イーサリアムチェーンはNFTのプラットフォームとして高いシェアを誇っています。
例えば、CryptoKittiesはイーサリアム上で運営されるNFTゲームであり、ユーザーは独自の特徴を持つ仮想の猫を育成したり、売買したりすることができます。
イーサリアム2.0への移行が進行中である
イーサリアムは、現在イーサリアム2.0と呼ばれる大規模なアップデートを進めています。イーサリアム2.0は、イーサリアムのパフォーマンスやセキュリティ、スケーラビリティを向上させることを目的としており、以下の3つのフェーズに分かれています。
フェーズ0:ビーコンチェーンの導入
フェーズ1:シャーディングの導入
フェーズ2:ステートエクスキューションの導入
イーサリアム2.0の最大の変更点は、コンセンサスアルゴリズムの変更です。現在のイーサリアムは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)と呼ばれるアルゴリズムを採用しており、コンピュータの計算能力を競ってブロックを生成する仕組みになっています。しかし、この仕組みは、トランザクションの処理速度が遅く、電力消費が大きいという問題があります。
イーサリアム2.0では、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)と呼ばれるアルゴリズムに移行する予定です。
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)とは、コインの保有量や期間に応じてブロックを生成する権利を得る仕組みです。この仕組みは、計算能力に依存しないため、トランザクションの処理速度が速く、電力消費が少ないというメリットがあります。
イーサリアム2.0のフェーズ0は、2020年12月に開始されました。このフェーズでは、ビーコンチェーンと呼ばれる新しいチェーンが導入されました。ビーコンチェーンは、PoSのコンセンサスアルゴリズムを担うチェーンであり、現在のイーサリアムチェーンとは別に稼働しています。ビーコンチェーンには、イーサリアムのネイティブコインであるETHを32ETH以上預けたユーザーが参加できます。これらのユーザーは、バリデーターと呼ばれ、ブロックの生成や検証を行うことで報酬を得ることができます。
イーサリアム2.0のフェーズ1は、2021年末から2022年初めに開始される予定です。このフェーズでは、シャーディングと呼ばれる技術が導入されます。シャーディングとは、ブロックチェーンを複数の小さなチェーンに分割することで、トランザクションの処理能力を向上させる技術です。イーサリアム2.0では、64個のシャードチェーンが作成される予定であり、それぞれがビーコンチェーンと連携して動作します。
イーサリアム2.0のフェーズ2は、2022年末から2023年初めに開始される予定です。このフェーズでは、ステートエクスキューションと呼ばれる技術が導入されます。ステートエクスキューションとは、シャードチェーン上でスマートコントラクトやDAppsを実行できるようにする技術です。このフェーズでは、現在のイーサリアムチェーンとイーサリアム2.0のチェーンが完全に統合される予定です。
イーサリアムの歴史
イーサリアムは、2013年にロシア系カナダ人のヴィタリック・ブテリンによって発案されました。ブテリンは、ビットコインのブロックチェーンにスマートコントラクトの機能を追加することを提案しましたが、ビットコインの開発者たちから反対されたため、新たなブロックチェーンプラットフォームを作ることを決めました。
2014年
2014年には、イーサリアムの開発を支援するためにイーサリアム財団が設立されました。同年、イーサリアムのプレセールが行われ、約1800万ETHが販売されました。
2015年
2015年7月には、イーサリアムのメインネットがローンチされました。この時点で、イーサリアムの時価総額は約1億ドルでした。
2016年
2016年6月には、イーサリアムの歴史上最大の事件となるDAOハックが発生しました。DAOとは、分散型自律組織のことで、イーサリアム上で運営されていた投資プロジェクトの一つでした。DAOには、約1億5000万ドル相当のETHが集められていましたが、ハッカーによって約6000万ドル相当のETHが盗まれました。
この事件を受けて、イーサリアムのコミュニティは、ハードフォークを行ってハッカーによって盗まれたETHを元に戻すかどうかで意見が分かれました。最終的に、ハードフォークを支持する人々はイーサリアム(ETH)として新しいチェーンを作り、ハードフォークに反対する人々はイーサリアムクラシック(ETC)として古いチェーンを維持することになりました。
2017年
2017年には、イーサリアムは大きなブームを迎えました。この年には、ICO(Initial Coin Offering)と呼ばれる仮想通貨の資金調達方法が流行し、多くのプロジェクトがイーサリアム上でトークンを発行しました。ICOによって、イーサリアムの需要が高まり、イーサリアムの価格は年初の約8ドルから年末の約730ドルまでに急騰しました。
2018年
2018年には、イーサリアムは大きな課題に直面しました。この年には、イーサリアムのネットワークが混雑し、トランザクションの手数料が高騰しました。また、ICOバブルの崩壊や仮想通貨市場全体の下落によって、イーサリアムの価格は年末には約130ドルまでに暴落しました。
2019年
2019年には、イーサリアムは再び活気を取り戻しました。この年には、DeFiやNFTなどの新しい分野がイーサリアム上で発展し始めました。また、イーサリアム2.0の開発も進められ、ビーコンチェーンのテストネットが稼働しました。
2020年
2020年には、イーサリアムは大きな成長を遂げました。この年には、DeFiやNFTが爆発的に人気になり、イーサリアムのネットワーク上で多くのトランザクションが行われました。また、イーサリアム2.0のフェーズ0が正式に開始され、ビーコンチェーンがローンチされました。
2021年
2021年には、イーサリアムは歴史的な高値を更新しました。この年には、イーサリアムの価格は年初の約730ドルから年末の約4000ドルまでに約5倍になりました。また、イーサリアムのネットワークは、ロンドンアップグレードと呼ばれる重要なアップデートを実施しました。このアップデートでは、トランザクションの手数料の仕組みが変更され、一部の手数料が焼却されるようになりました。これによって、イーサリアムの供給量が減少し、イーサリアムの価値が高まると期待されました。
2022年
2022年9月には、イーサリアムは大規模なアップデート「The Merge」を完了しました。このアップデートでは、従来のProof of Work(PoW)からProof of Stake(PoS)への移行が行われ、これによりエネルギー効率が向上しました。
この重要な変更にも関わらず、市場の反応は冷静であり、特に価格に大きな変動は見られませんでした。イーサリアムは過去にも何度かアップデートを行っており、その都度機能の向上を図っています。
なお、現在でもアップデートは進行中であり、将来数年にわたり継続される見込みです。イーサリアムはその歴史の中で着実に進化し続け、将来の変革に向けて努力を重ねています。
イーサリアムの価格動向
イーサリアムの価格は、その歴史の中で大きな変動を繰り返してきました。
イーサリアムの価格は、以下の要因によって影響を受けています。
- ビットコインの価格の動向
- イーサリアムのネットワークの混雑や手数料の高騰
- イーサリアムのアップデートやイーサリアム2.0の進捗
- DeFiやNFTなどのイーサリアム上の分野の発展
- ハッキングや不正などのセキュリティの問題
- 仮想通貨の規制や法律の変更
- 仮想通貨の市場全体の需給やセンチメント
2024年以降のイーサリアムの見通しや価格予想
2024年以降のイーサリアムの見通しや価格予想は、様々な専門家や機関によって異なりますが、一般的には、イーサリアムはポジティブな展望を持っています。以下に、いくつかの予想を紹介します。
デジタル資産の投資会社であるグレイスケールは、イーサリアムの価値はビットコインを超える可能性があると主張しています。グレイスケールは、イーサリアムはビットコインよりも多様な用途を持ち、より多くのユーザーと開発者を惹きつけると考えています。
ブロックチェーンの分析会社であるコインテレグラフは、イーサリアムの価格は2025年には1万ドルに達すると予想しています。コインテレグラフは、イーサリアム2.0の完了やDeFiやNFTの成長などがイーサリアムの価格を押し上げる要因になると考えています。
仮想通貨の取引所であるクラーケンは、イーサリアムの価格は2030年には10万ドルに達すると予想しています。クラーケンは、イーサリアムはビットコインに次ぐ世界の準備通貨になる可能性があると主張しています。
もちろん、これらの予想はあくまで参考に過ぎず、実際のイーサリアムの価格は様々な要因によって変動することを忘れてはいけません。イーサリアムに投資する場合は、自己責任で行うようにしてください。
日本でおすすめの取引所
イーサリアムを日本で購入する場合は、以下のような取引所がおすすめです。
DMM Bitcoin
DMM Bitcoinは、多岐にわたる暗号資産の取引が可能で、現物取引やレバレッジ取引を実施できます。口座開設はスマートフォンで迅速に完了し、最短1時間で取引をスタートできます。『スマホでスピード本人確認』を利用すれば、7:00から22:00までの時間帯に口座開設の申し込みをすることができます。
現物取引では最小発注数量や取引単位が0.001ETHから取引が可能であり、豊富な取扱通貨が用意されています。特筆すべきは全22銘柄でのレバレッジ取引が可能であり、その利便性は初心者にも親しまれています。
手数料に関しては、DMM Bitcoinでは様々な手数料が無料となっており、取引に関連する多くの費用が無料である点が魅力的です。また、取引アプリは使いやすく、初心者からデイトレーダーまで幅広いユーザーに定評があります。スマートフォン版の取引アプリでは、「STモード」「EXモード」といった2つの取引スタイルを選択できるため、利用者のニーズに合わせた取引が可能です。
さらに、DMM Bitcoinは365日サポートを提供しており、口座開設から取引方法まで、土日祝日を含めた日々のサポートが行われています。セキュリティ面においてもDMMグループが培った堅牢なセキュリティ体制や高機能な取引ツールが備わっており、安心して取引を行うことができます。
最後に
イーサリアムは、ブロックチェーン技術の進化を通じて、スマートコントラクトや分散型アプリケーションの普及を牽引し、様々な分野に革新をもたらしています。今後ますます進化するイーサリアムの動向に注目が集まります。仮想通貨市場やブロックチェーン技術の進展を通じて、新たな未来が切り拓かれることでしょう。